ここからは、技術経営の課題に係るキーワードを解説して行きます。
技術経営の課題の整理方法として、例えば、コア技術、組織構造、事業システムに着目する方法があります(MOT技術経営入門、延岡健太郎著)。しかしながら、普遍的な整理方法は無いようなので、ここでは、私が研究開発者として持っていた課題意識から、「競争力」「持続性」「イノベーション」と分けて進めます。
競争力
「競争力」とは、利益を上げる商品を開発する力を指します。価値を創造する力、商品を開発する力を含みます。また、対外部に対して発揮する力と考えることができます。関係するキーワードとして以下をあげます。
- 価値創造・付加価値
- 商品開発
- 製品アーキテクチャ
- 効率化・スピードアップ
- 価値を作り上げるプロセス
持続性
「持続性」とは、技術を蓄積し発展させていく特性を指します。価値を獲得する力、研究開発力を継続的に保つ力を含みます。また、内部的な体制構築や戦略、組織文化などが重要となると考えます。関係するキーワードとして以下をあげます。
- 組織能力や差別化
- コア技術戦略
- プラットフォーム戦略
- 技術の進化
- 社内での生き残り
イノベーション
「イノベーション」とは、狭義では技術を飛躍させ展開させることを意味します。ヨーゼフ・シュンペーター「経済発展の理論」の中にある5つの分類(※)とは違う視点で考えます。関連するキーワードとして以下をあげます。
- 革新的イノベーションと改善的イノベーション(漸進的イノベーション)
- イノベーションジレンマ
(※イノベーションの分類)
- 新しい生産物・生産物の新しい品質の創出(プロダクト)
- 新しい生産方法産業の導入(生産プロセス)
- 産業の新しい組織の創出(組織)
- 新しい販売市場の開拓(マーケット)
- 新しい買い付け先の開拓(サプライチェーン)
次回以降では、「競争力」「持続性」「イノベーション」に関係するとしてあげたキーワードを更に細分化して、解説を行っていきます。
参考
以上(2022/2/13)