プロダクト戦略の際に陥りやすいと考える「技術と製品の整合性」について考えてみます。
技術と製品の整合性
「技術と製品の整合性」とは、コンセプトから製品の具現化に向けて適用する技術が、その具現化に必要な技術内容を持っており、かつ不必要な技術内容を持っていないということを示すとします。
例えば、十分な時間をかけて氷を作る製氷機を製品とする場合、その具現化に必要な技術としては、0℃に冷却できる技術が必要十分で整合性のある技術と考えます。
マイナス40℃まで冷却できる技術は、製氷に必要な条件を満たしていますが、オーバースペックです。多分、製品のコストも高くなることが予想されます。できるだけ早く製氷するならば、このような技術を適用する価値はありますが、むしろゆっくりと製氷することがコンセプトの製品ならば、宝の持ち腐れとなる可能性が高まります。
整合性と課題
潜在的な価値を想定し、保有技術を生かして製品開発をおこなう際に、製品がコンセプトどおりの機能を発揮することを目指して保有技術を適用したとします。保有技術が機能を発揮するための必要条件を満たせば、製品開発は完了させることができると考えます。
一方で、保有技術がこのコンセプトの製品にとって十分条件を満たしていない場合、例えば、オーバースペックな技術を適用している場合、保有技術を使う必然性が失われ、他の市中技術で代替されてしまうリスクが高くなります。これは適用した保有技術による持続的な競争優位性を失うことを意味しており、そもそものプロダクトアウト戦略の根本が崩れてしまいます。
また、オーバースペックな技術といったように十分条件を満たしていない場合、経済性や生産性が犠牲になっていることも多く、たとえ製品開発を完了できたとしても、次のステップである事業化において課題を抱えてしま可能性が高いと思われます。
したがって、プロダクト戦略において、「技術と製品の整合性」は製品コンセプトの時点から検討しておくべき課題であり、さらに、技術の整合性は開発から事業化の間にある「死の谷」に関係するのではないかと考えられます。

参考
- MOT[技術経営]入門、延岡健太郎著、日本経済新聞出版
- 技術経営について考える(7)
以上(2022/8/8)