気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第3作業部会報告書の公表について
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第56回総会及び同パネル第3作業部会(WG3)第14回会合が、令和4年3月21日(月)から同年4月4日(月)にかけてオンラインで開催され、IPCC第6次評価報告書(AR6)WG3報告書(以下「AR6/WG3報告書」という。)の政策決定者向け要約(SPM)が承認されるとともに、同報告書の本体や付録等が受諾されました(環境省ニュースリリースより)。
IPCCは、気候変動に関する報告書を5~6年ごとに公表してきています。報告書作成の作業部会は3つあり、以下の内容に分かれています。
- 第1作業部会:The Physical Science Basis(温暖化ガス排出量の気温上昇への寄与等の自然科学的な評価)
- 第2作業部会:Impacts, Adaptation and Vulnerability(気候変動による社会・自然環境への被害、適応策及び脆弱性の評価)
- 第3作業部会:Mitigation of Climate Change(温暖化ガスの排出量削減策の評価)
今回、温暖化ガスの排出量削減策の評価についての第6次報告書がほぼ纏まったということです。本編は、最終校正が残っていますが、政策決定者向け要約(SPM)は公開されています。
関連資料
第1作業部会について
2021年8月に公表した第1作業部会の報告書では、温暖化が人間活動によることを「疑う余地がない」と初めて言い切りました。個人的には、ノーベル物理学賞の受賞テーマの最後のひと押しになったのではないかと類推します。
第2作業部会について
最新の科学的知見から「人為起源の気候変動は、極端現象の頻度と強度の増加を伴い、自然と人間に対して、広範囲にわたる悪影響とそれに関連した損失と損害を、自然の気候変動の範囲を超えて引き起こしている」等と評価しています。
参考文献・URL
Climate Change 2021: The Physical Science Basis(第1作業部会)
Climate Change 2022: Impacts, Adaptation and Vulnerability(第2作業部会)
- Summary for Policymakers
- Technical Summary (Accepted version subjected to final edits)
- Full Report (Accepted version subjected to final edits)
2022: Mitigation of Climate Change(第3作業部会)
- Summary for Policymakers
- Technical Summary (Accepted version subjected to final edits)
- Full Report (Final draft version)
以上(2022/4/9)