インターネット接続の構成を踏まえて、インターネット環境が不安定になった際に、何をどのように改善すればよいかを考えていきたいと思います。

インターネット接続の構成

インターネット接続のポンチ絵です。右が普段利用しているパソコンやスマートフォンといった端末で、左に行くほどインターネットの世界に入っていきます。といっても、ここに描いているのはハードウェアのつながりなので、インターネットの中にあるコンテンツの世界は示していません。

代表的な問題点

インターネットが不安定と感じる際の問題点を以下に挙げてみます。

  • 繋がらない
  • すぐに切れる(不安定、周期的、端末移動の際)
  • 遅い(web表示等、全体動作)
  • 画像が汚い、音が悪い、映像が止まる・乱れる

これらの原因と対応方法を一つずつ考えていきます。

繋がらない

Webが表示されない時には、以下の状況が考えられます。

  • どのHPも表示されない→ネットワーク関連が原因の可能性が高い
    • プロバイダに原因(DNS障害等)
    • 回線に原因(フレッツサービス障害等、ONU故障)
    • 宅内LANに原因(宅内ルータの故障、LANケーブル切断、スイッチングHubの故障)
    • 端末に原因(端末ネットワークアダプタ故障=PC等のハードウェアの故障、OSネットワークドライバ等障害=PC等のソフトウェアの不具合)
  • 特定のHPが表示されない
    • HPサーバの障害(相手側のトラブル)
    • プロバイダ内サーバ障害
    • セキュリティソフト等フィルタの設定
    • IPv4、IPv6の対応状況(相手側サーバの仕様)

すぐに切れる

インターネット接続がすぐに切断される時には、以下の状況が考えられます。

  • 切れたり繋がったりと不安定
    • 無線LAN親機の配置(コンクリート、金属の遮蔽物に注意が必要)
    • OSアップデート(ネット枠設定仕様が変更された等)
    • ネットワークドライバ障害(長く使っているOSで不安定になる)
    • 妨害電波(電子レンジ等)
    • ルータ本体の熱暴走(夏季、ローボード内に設置等)
  • 周期的に切れる
    • 無線LAN親機の設定(DHCP設定、セキュリティ設定等)
  • 端末を移動させた際に切れる
    • ネットワークケーブルの不良(ソケットのツメの破損、ケーブルの切断)
    • 無線アンテナの破損
    • 無線LAN親機の配置(コンクリート、金属の遮蔽物に注意が必要)

遅い

  • Web表示等の表示が遅い
    • 無線LAN電波状態が良くない(電波強度、バンド重複)
    • 有線LAN、無線LANの規格が古い(親機、Hub、端末)、ケーブルの性能が不十分
    • 宅内LANの接続端末数が多い(ルータ・Hub性能、パケット衝突)
  • 全体的な動作が遅い
    • PC等端末の性能が不十分

画像が汚い、音が悪い、映像が止まる・乱れる

  • 相手側(HP側)に原因がある
  • 宅内のネットワーク帯域が不足
    • 有線LAN、無線LANの規格が古い(親機、Hub、端末)
    • 無線LAN電波状態が良くない(電波強度、バンド重複)、ケーブルの性能が不十分
    • 宅内LANの接続端末数が多い(ルータ・Hub性能、パケット衝突)
  • PC端末の性能が不足(ZoomなどWeb会議利用を想定)
    • OS(バージョンが古い、利用期間が長い)
    • CPU(古い、4-core/3GHz程度は欲しい)
    • メモリ(少ない、8Gbyte程度は欲しい)
    • SSD・HDD(SSDは256Gbyte程度は欲しい)
    • ネットワークアダプタ(有線:1000BASE-T, 無線:Wi-Fi5=802.11ac以上が欲しい)
    • アプリのバージョン(最新が好ましい)
  • カメラ、マイク、スピーカーに原因(接続先設定に注意)
    • ハードウェアの性能の限界(カメラの解像度が無い等)
    • PC端末の性能の不足(カメラ等のハードウェアの性能を活かせない)

安定した環境の構成

安定したインターネット環境を構成するために必要な項目を挙げます。一つひとつ確認してみてください。

  • プロバイダ契約
    • IPv6を試してみる
  • 回線契約
    • 光回線(フレッツ光などで1Gbps以上)
  • 宅内(無線)ルータ:宅内で利用する端末が多い場合、1万円以上(高性能の基準として)が好ましい
    • 接続端末総数(スマホ、タブレット、TV、レコーダ等含む)
  • 有線LAN環境
    • LANケーブル品質
    • スイッチングHub(性能確認、設置)
  • 無線LAN環境
    • 親機配置場所(近くの遮蔽物に注意)
    • 専用子機利用(子機→有線接続でPC端末へ)
    • 親機・子機設定(同じメーカがおすすめ)
    • 中継機設置
    • メッシュネットワーク導入がいいかも(中継機より良さげ)
    • OSのバージョンアップ時の仕様変更に注意
  • PC端末性能
    • CPU, MEM, SSDスペック
    • 有線LAN、無線LANアダプタ規格
    • OSのリフレッシュ・設定

原因の切り分けと対応

  1. 原因:複数の端末で同じところにアクセスしてみる
    • 無線LANと有線LAN
    • スマホ(携帯回線)と自宅端末
    • 原因を「端末」、「有線LAN」、「無線LAN」、「回線(局舎、光ケーブル、ONU)」、「プロバイダ」、「インターネット(クラウドサービス、HP等相手サーバ)」で切り分ける
  2. 対応:回線故障の場合
    • 回線業者問い合わせ(NTT:0120-000113等、24/365対応)
    • NTT側故障の場合:当日・次日で対応
    • 「昼前に確認して、午後に故障対応(ONU交換)」といった速やかな対応が出来ることもある
  3. 対応:プロバイダ・インターネットに障害がある場合
    • プロバイダを変えてみる(テザリング経由でインターネットに接続など)
    • 回復を待つ

以上(2021/10/11)