「1次データを活用したサプライチェーン排出量算定ガイド」等が公開されました
環境省等が進めるバリューチェーン全体での脱炭素化に向けた取組を推進するために、「脱炭素経営の促進に関する各種ガイド」が公開されました。
概要
以下、2つのガイドが公開されました。説明は、ニュースリリースからの引用です。
(1)1次データを活用したサプライチェーン排出量算定ガイド【NEW】
- 事業者の排出削減努力が反映されることを目的とし、実測値である1次データを活用した排出量算定に関するガイド。Scope3のカテゴリ1に焦点を絞り、算定事業者がサプライヤーから入手した1次データを用いて、Scope3算定にどう反映させていくかに関する方法論について整理。
(2)バリューチェーン全体の脱炭素化に向けたエンゲージメント実践ガイド【更新】
- 令和6年度バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業における知見を踏まえ、個社と取引先とのエンゲージメント高度化に係る事例を追加。また、業界でのエンゲージメントに係る取組意義の解説、及び、課題の洗い出しに向けた意見集約や優先順位の付け方等の推進方法について、業界事例を踏まえた解説を追加。
解説
2次データを使ったScope3もしくはCFPの算定に関する課題に対する1つの解答の位置づけになります。ただし、本ガイドで全て解決されることはなく、課題を再認識して、現実的な対応をとるヒントとするのが良いと考えます。なお、以下が、Scope3やCFPの算定に関する主な課題です。
- 絶対的に精度の高いCO2排出量は本質的に算定できない(仮にPCRが策定されても、企業間の比較は疑問が残る)
- 他社等との比較は困難であり、ライフステージ間の相対的な環境負荷(CO2排出量等)が現実的な比較対象である
- 最終的な算定精度は最も精度の低いデータで決まり、1次データと2次データの混在させた算定結果の精度は2次データの精度に依存する
- 恣意的に1次データを取捨選択する事でScope3もしくはCFPの結果が改善されたようにすることも可能となる
- 業界等のサプライチェーンを一気通貫する統一的な算定プラットフォーム(算定方法、データベース等の統一)が整備されないと算定の稼働や精度が現実的にならない
一方で、Scope1,2だけでなくサプライチェーン(Scope3)にも目配りをしてカーボンニュートラルに取り組むことは、非常に大切な考え方です。これらのガイド等を参考に、Scope3やCFPの算定の限界を認識・理解して、その上で、現実的にできること・事業に資することに取り組むカーボンニュートラルに意義があると考えます。
その他
関連して、以下の既存資料についても更新されています。
- サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン (ver.2.7)
- サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース(ver.3.5)
- サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベースの解説
参考情報
以上(2025/4/1)